今日、GTM Researchのこの記事とこのビデオを見ていた(興味のある人は見て下さい)。
タイトルは「Solar Disrupting Wholesale Energy Markets」。
カリフォルニア州での太陽光発電が増えた事による問題点とそれにあわせてどういう準備が必要かと言う話であり、あまり目新しい話は無かったが。
で、もう一度数字を計算し直してみた。
全部カリフォルニア州の数字です。
- 年間の電力需要 :260TWh程度
- ピーク需要 :45GW程度
- 太陽光熱発電のピーク発電量:4.8 GW (August 15, 2014)
- 太陽光熱発電のピーク発電比率:14%(上記の日)
- 分散電源の太陽光発電設置量 :2.6GW(上記の発電量に入らない)
ここからは、筆者の勝手な試算です。
仮に年間電力需要260TWhのうち、200TWhを太陽光発電で賄うとしたらどうなるか(水力や地熱やバイオ等の安定して稼働する再生可能エネルギー発電リソースが60TWh程度あるので)。
仮定として、太陽光発電パネルの年間の平均稼働率を15%とすると
200TWh÷15%÷24時間÷365日=152GW
う〜〜ん、152GWの太陽光発電施設を設置すれば1日の需要分を賄える事になる。
この設置コストは、仮に設置単価を$2/Wとすると、
152GW x $2/W=$300B
しかし、雨が続いて発電出来ない日が続く事もあるので、仮にこういう日が3日続くと仮定し、その間の必要電力量をエネルギー貯蔵装置に貯めておくとすると、必要なエネルギー貯蔵容量は、
(260TWh/年÷365日/年)x3日=2TWh
仮に、2030年頃にはエネルギー貯蔵容量のコストが$0.2/Whまで下がると仮定すると、
2TWh x $0.2/Wh = $400B
となる。
即ち、太陽光発電施設に$300B、エネルギー貯蔵施設に$400B、あわせて$700B必要となる。
仮に、これを20年間かけて設置すると仮定すると1年間の投資は、
$700B÷20年=$35B/年
となる。
う〜〜ん、大変な額だが、不可能な額でもない様に思うが...
これが実現した暁には化石燃料を一切焚かないで電力を賄えると言う机上の計算である。
(もちろん、3日以上太陽が出ない事もあるので、予備の火力発電所を待機させておく必要はある。)