太陽光で調理


友人のAさんから「熱くなった車のボンネットで目玉焼きが出来るという話だが、太陽エネルギーでフライパンを熱くして料理が作りたい、どうすれば良いか?」と聞かれた。
確かに、最近の「熱波」で筆者の車のボンネットもかなり熱くなり、とても手では触れなくなる。
太陽エネルギーを活用した調理器具を考えてみた。
しばらく前に書いた様に、東京(北緯35度)とかサンフランシスコ(北緯37度)とかの緯度の場所で、大気圏を通り過ぎて太陽から届く「太陽輻射エネルギー」は1メートル四方あたり約1,000ワットである。
焼肉とかで使うホットプレートも1,000ワットから1,3000ワットの消費電力の製品が多いのでワット数はほぼ同じ。
だが、一番の違いは単位面積あたりの熱量(エネルギー)だろう。
右の写真の様なホットプレートの内径は30センチなので、その面積は15cm x 15cm x 3.14 =706cm2である。
一方の1,000Wの太陽エネルギーを受けるには、100cm x 100cm=10,000cm2必要である。
その面積の差は14倍。
なので、ボンネットに比べるとホットプレートの方が14倍の熱量を単位面積に加えることが出来、その分表面温度を熱くする事が出来る。これで、焼肉やステーキを乗せると「ジュゥ〜」と言う音がして、奇麗な焼き色になる。
ボンネットの方はその面積を広げても単位面積あたりの熱量は少ないので、面積が広い分、放熱も増えて低い温度で「平衡状態」になる。
じゃあ、どうすれば良いだろうか?
エネルギーを14倍凝縮すれば良い。
ただし、ボンネットではその形状的に難しい。面積が広い分どんどん廻りの空気に熱を奪われて行くしエネルギーを凝縮出来ない。
なので、「集光型太陽光発電(Concentrating Photovoltaic)」の原理を使って、パラボラ型の集光器(ミラー)で熱を集める。
1,000Wのエネルギーを得るには10,000cm2の面積があればいい。円状にすると、その直径は2 x √(10,000/3.14)=112cmとなる。
ということで、右図のような直径112cmの「太陽エネルギー集光装置」を折りたたみ式で作って太陽に向かって設置する。
これで、キャンプの時など、太陽さえ出ていれば1,000Wのホットプレートと同じ火力が得られます。