カリフォルニア州(*)の電力需要と発電量

4/19のカリフォルニア州(*)の電力需要と発電量を、昨日載せましたが、これでは片手落ちなので、去年8月の暑かった日(8/27火曜日)のデータを探してきてSide-by-sideで並べてみました。
先週土曜日は(1)暖房・冷房需要のない春の穏やかな日(2)COVID-19でオフィス・レストラン・商業施設ともクローズという特殊状況ですが、予想以上に違っています。
需要量は803GWh→465GWhと42%減です。
(*)CAISO管内のデータ(カリフォルニア州全体の80%程度に相当)

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エネルギー問題のオンラインセミナー

日は、4カ国6カ所を繋いで、エネルギー問題のオンラインセミナーを実施。
(1) 日本 :夜23時〜(3人参加)
(2) カナダ:朝7時〜(1人参加)
(3) ドイツ:午後15時〜(1人参加)
(4) 米国 :朝7時〜(ホスト:阪口)
と時間帯が異なりましたが「寝落ち」する人もいなく、びっしり2時間 付き合ってもらえました。
ZOOMで画面をシェアしながらのディスカッションでしたが、臨場感も高く、なかなかリアルなセミナーを実施できました。

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= 一部文章を修正 =


昨日「PG&Eが、山火事の予防と計画停電対策のために今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを費やす計画を提出した」と書いたが、同社は膨大な額の損害賠償請求訴訟を抱えており、今後経営破綻(Chapter 11)から脱却出来るのか、はたまた「解体」に向かうのかが大きな問題になっている。
同社が背負っている負債額は、いろいろな数字が飛び交っておりどれが正しいのかいまひとつ分からないが、一般的には総額$50B以上と考えられており、そのうち裁判所が暫定的に命じた$25.5Bの現金をまずは支払わなければならない。
という状況で、PG&Eが取れる現金調達方法は限られているが、取り敢えずは$23BをDebtで調達しようとしたが、州知事が大反対。
「同提案ではPG&Eが大きな負債を抱えてしまい、山火事のリスクに対応するための将来のインフラ更新等のニーズに対して資金が不足する」との懸念を表明。
しかし、
(1) PG&Eが、投資家から最大で$12Bの自社株の購入を約束するコミットメントを得た
(2) コロナウイルスの大流行によって市場が不安定性を増した(PG&Eの株価が急降下)
(3) これらより州知事がスタンスを和らげた
等で、最終的に破産裁判所が、この「$23Bの資金調達案を承認する」と3月16日に発表。
コロナ騒ぎのどさくさ紛れに、いろいろなことが蛇行しながらも進んでいる。
なお、調達額は、桁が大きくて今一つピンと来ないが、今回調達する$23Bは、2兆3000億円に相当。
(←延期が決まった東京オリンピックパラリンピックの大会予算は1兆3500億円。)
この借金は回りまわって我々需要家からの電気代で回収されることになる。
なお、「発送電分離」が進んでいるので、PG&Eの収入は「送配電+小売」からだけである。
(簡単のため$1=100円で計算)
因みにPG&Eは、
・売り上げ : $17.14 B (2017年)
・Market Cap : $3.2B(2019年1月16日)
・顧客数 : 16M(1,600万顧客)

= 一部文章を修正 =


昨日「PG&Eが、山火事の予防と計画停電対策のために今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを費やす計画を提出した」と書いたが、同社は膨大な額の損害賠償請求訴訟を抱えており、今後経営破綻(Chapter 11)から脱却出来るのか、はたまた「解体」に向かうのかが大きな問題になっている。
同社が背負っている負債額は、いろいろな数字が飛び交っておりどれが正しいのかいまひとつ分からないが、一般的には総額$50B以上と考えられており、そのうち裁判所が暫定的に命じた$25.5Bの現金をまずは支払わなければならない。
という状況で、PG&Eが取れる現金調達方法は限られているが、取り敢えずは$23BをDebtで調達しようとしたが、州知事が大反対。
「同提案ではPG&Eが大きな負債を抱えてしまい、山火事のリスクに対応するための将来のインフラ更新等のニーズに対して資金が不足する」との懸念を表明。
しかし、
(1) PG&Eが、投資家から最大で$12Bの自社株の購入を約束するコミットメントを得た
(2) コロナウイルスの大流行によって市場が不安定性を増した(PG&Eの株価が急降下)
(3) これらより州知事がスタンスを和らげた
等で、最終的に破産裁判所が、この「$23Bの資金調達案を承認する」と3月16日に発表。
コロナ騒ぎのどさくさ紛れに、いろいろなことが蛇行しながらも進んでいる。
なお、調達額は、桁が大きくて今一つピンと来ないが、今回調達する$23Bは、2兆3000億円に相当。
(←延期が決まった東京オリンピックパラリンピックの大会予算は1兆3500億円。)
この借金は回りまわって我々需要家からの電気代で回収されることになる。
なお、「発送電分離」が進んでいるので、PG&Eの収入は「送配電+小売」からだけである。
(簡単のため$1=100円で計算)
因みにPG&Eは、
・売り上げ : $17.14 B (2017年)
・Market Cap : $3.2B(2019年1月16日)
・顧客数 : 16M(1,600万顧客)
詳細については以下を参照:

山火事によるリスクを軽減するための計画書「Wildfire Mitigation Plans」

今、北カリフォルニアは雨季のため山火事のリスクは低いですが、今年の冬は雨が少ないこともあり、やがてやってくる山火事の季節が非常に恐ろしいです。
PG&Eは破綻したままで、かつ去年の山火事シーズンは「計画停電を乱発」してめちゃくちゃ顰蹙を買いました。
「そもそも送配電網を私企業に任せていいのか?」という議論は前からありますが、それはここでは横に置きます。
2月28日に、PG&Eをはじめとするカリフォルニア州の私営電力会社が、山火事によるリスクを軽減するための計画書「Wildfire Mitigation Plans」をカリフォルニア州公共事業委員会に提出。
PG&Eは、この計画書で今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを当該対策のために支出すると提案。
2020年について以下の目標を掲げています。
(1) 1,800マイルに及ぶ送電線周辺の植物の管理。
(2) 22,000箇所の送電設備、344,000箇所の電柱、105箇所の変電所の点検。
(3) 241マイルに及ぶ架空送電線(裸線)について、地中化、被覆化、電柱の強化もしくは不要な電線の撤去を行う。
(4) 今後12〜14年かけて合計7,100マイルの送電線を強化する。
(5) 配電網をより小さな区域に自動的に区切ることができる装置を592台設置する。この装置により、停電させる区域をより明確にし、影響を受ける消費者を最小限とすることが可能となる。
(6) PG&E社は、この区域化を進めることにより、大規模計画停電(PSPS: Public Safety Power Shutoff)の対象範囲をこれまでよりも狭く出来る他、装置の修理や交換の際に停電させる範囲を極力狭く出来る。
(7) これらにより、2019年と比較し、PSPSの影響を受ける顧客を33%減少させる。PSPS時に電力回復までの時間を50%短くする。
(8) 既存の626箇所の天候観測装置に加え、新たに400箇所の観測装置を設置し、2021年までに合計1,300箇所とする。
(9) 既存の142台の高解像度カメラに加え、新たに200台を導入し、2022年までに合計600台とする。
(10) 2020年の PSPS時に、稼働するマイクログリッドの数を増加させる。
「う〜〜ん、こんなこと、10年前にやれよ〜」と言いたいが、これはPG&Eの責任だけではなく、州政府の責任も大きいです。
オリジナルはこちら↓。
https://www.cpuc.ca.gov/wildfiremitigationplans/

PG&E

今、北カリフォルニアは雨季のため山火事のリスクは低いですが、今年の冬は雨が少ないこともあり、やがてやってくる山火事の季節が非常に恐ろしいです。
PG&Eは破綻したままで、かつ去年の山火事シーズンは「計画停電を乱発」してめちゃくちゃ顰蹙を買いました。
「そもそも送配電網を私企業に任せていいのか?」という議論は前からありますが、それはここでは横に置きます。
2月28日に、PG&Eをはじめとするカリフォルニア州の私営電力会社が、山火事によるリスクを軽減するための計画書「Wildfire Mitigation Plans」をカリフォルニア州公共事業委員会に提出。
PG&Eは、この計画書で今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを当該対策のために支出すると提案。
2020年について以下の目標を掲げています。
(1) 1,800マイルに及ぶ送電線周辺の植物の管理。
(2) 22,000箇所の送電設備、344,000箇所の電柱、105箇所の変電所の点検。
(3) 241マイルに及ぶ架空送電線(裸線)について、地中化、被覆化、電柱の強化もしくは不要な電線の撤去を行う。
(4) 今後12〜14年かけて合計7,100マイルの送電線を強化する。
(5) 配電網をより小さな区域に自動的に区切ることができる装置を592台設置する。この装置により、停電させる区域をより明確にし、影響を受ける消費者を最小限とすることが可能となる。
(6) PG&E社は、この区域化を進めることにより、大規模計画停電(PSPS: Public Safety Power Shutoff)の対象範囲をこれまでよりも狭く出来る他、装置の修理や交換の際に停電させる範囲を極力狭く出来る。
(7) これらにより、2019年と比較し、PSPSの影響を受ける顧客を33%減少させる。PSPS時に電力回復までの時間を50%短くする。
(8) 既存の626箇所の天候観測装置に加え、新たに400箇所の観測装置を設置し、2021年までに合計1,300箇所とする。
(9) 既存の142台の高解像度カメラに加え、新たに200台を導入し、2022年までに合計600台とする。
(10) 2020年の PSPS時に、稼働するマイクログリッドの数を増加させる。
「う〜〜ん、こんなこと、10年前にやれよ〜」と言いたいが、これはPG&Eの責任だけではなく、州政府の責任も大きいです。
オリジナルはこちら↓。
https://www.cpuc.ca.gov/wildfiremitigationplans/