米国での再エネ推進は、州によって熱心度が全く異なる。
そもそも連邦政府と州政府も、それぞれ勝手にやりたいことをやっている感が強いし。
カリフォルニア州のように、2030年に再エネ発電比率を50%にする(州法)とか、2030年までにガソリン使用量を半分位する(州法ではなく目標)とかは連邦政府とは関係なしに進めている。
とは言っても、石油と天然ガス等の炭化水素(Hydro-Carbon)の消費は無くならないので、日々の生活を送るためには国内で生産するか国外からの輸入に頼らなければいけない。
米国にとって、エネルギー政策は極めて大事で、国家の安全保障と極めて深く結びついている。
下のグラフは、今年(2016年)の5月にEIAが発表したものであるが、石油+天然ガスの生産量を、米国、ロシア、サウジアラビアの3国で比較したものである。
2008年時点では米国の生産量はロシアに比べてまだ少なかったが、2012年にトップになり、それ以降は差を広げている。
両方で60 QUAD(Quadrillion BTU)近い。
米国の一次エネルギー消費量は下図に示すように約100 QUADで、そのうちの石油+天然ガスは63.7 QUADで約60%であるが、そのほとんどを自国生産の石油+天然ガスで賄っていることになる。もちろん、環境汚染等の対価を払った上であるが。
下図は、米国における石油の「OPECからの輸入量」と「自国内生産量」の推移を示す。2010年頃に逆転し、差は広がっている(ちなみに、米国では、OPEC外のカナダやメキシコからの石油の輸入も多い。わざわざOPECと比較しているのは安全保障上のリスクが高いOPEC依存を少しでも減らしたいという事である)。