Nest Lab社(Googleの子会社)のスマートサーモスタットは、節電意識の高い家庭むけのデバイスである一方で、電力網安定化のためのリソースとしても注目されているが、SCE(Southern California Edison)社が本格的に採用するらしい。
筆者がよく行くホームセンターでは、箱が山積みされているが、かなり高くて、あまり売れているようには見えないが😅。
南カリフォルニアでは、Aliso Canyonでの天然ガス漏洩問題により、来夏に停電リスクが高まることが懸念されているが、Nest社は5万台のサーモスタットを配置することによりこの問題を解決することができると考えている。
8月末、SCE(Southern California Edison)社は、Alison Canyonの天然ガス貯蔵施設閉鎖に伴う対応策の一環として、Nest社との新たな取引を発表した。本取引においては、SCE社はNest社に対して、南カリフォルニアでの負荷削減により総量にして50MW、一家庭あたり1kW分の電力を削減することにより、同地域での電力不足解消に寄与することを求めている。
本取引はNest社にとっては最大となるデマンドレスポンス契約であるが、ゼロからのスタートではなく、既存のデバイスを活用することによりただちにサービスを提供することができる、と同社の電力事業責任者であるBen Bixby氏は述べている。同氏は既存顧客の数を明らかにはしていないが、対象地域における5万世帯分の設置は意欲的な目標であると述べている。
Nest社とSCE社は、新しい顧客を獲得するために、魅力のあるオファーを提示すべく資金を投入する予定である。オファーの一つには、Nest社のRush Hour Rewardsプログラム入会時のインセンティブがある。同プログラムは、2013年より実施されているSCE社のPeak Time Rebate(PTR)デマンドレスポンスプログラムの一部である。来夏のプログラムでは、はじめに$125が提供され、その後1年間にわたって最大$60が電気料金より戻される。これに通常の節電分 $130-145/年をプラスすると、サーモスタットにかかるコスト$249は1年で回収することができると見込まれる。
SCE社はCPUC(California Public Utilities Commission: カリフォルニア州公共事業委員会)の決定にもとづくAliso Canyon関連の調達に置いて非常に早い動きを見せている。CPUCの決定により、デマンドレスポンスについては、ピーク時リベートプログラムにおいて$2.25Mを追加することが認められており、そのうちスマートサーモスタット向けでは$1.65Mが認められている。
SCE社はこのほか、Aliso Canyon対策として50MW分のエネルギー貯蔵リソースを確保している。Aliso CanyonについてはJerry Brown州知事が非常事態宣言を1月に行っているが、同施設はLos Angeles Basin地域において約10GW分の電力を夏の暑い日や停電時に供給しており、完全に閉鎖されることによって電力不足が非常に懸念されている。
Nest社のサーモスタットは、運用開始後1ヶ月ほどの間に各家庭の冷暖房の使用パターンを分析し、その後自動的に暖房にかかる費用を10-12%、冷房にかかる費用を15%ほど削減してくれるという。
う〜〜ん、たしかに家の中の電力需要のかなりの部分はエアコン需要であるし、ロスアンジェルス近辺はサンフランシスコとちがって暑いので、うまくコントロールするとピーク時消費を削減してくれるとは思うが。
ここまで効果があるかどうかは少し疑問である。