電気自動車用のリチウムイオン電池コスト

少し古いニュースですが。
11月6日に開催されたBarronの投資会議において、Tesla社のCEOであるElon Musk氏は、この先10年で航続距離500マイルを達成する電気自動車を市場に送り込む見込みであると語った。また、この目標を達成するためには、更なる組み立て工場やギガファクトリーが必要になるとも述べた。
カギとなるのはバッテリー価格の低下である。商業用の小さいリチウムバッテリーのコストパフォーマンスは、1990年代前半より年7%の割合で改善されてきた。
GM社の担当者によると、2016年後半又は2017年初めに送り込まれる同社の2017 Chevrolet Bolt EV車向けリチウムイオン電池の価格は$145/kWh(!?)になるという。これは、販売台数の増大(初年度年間25,000台)、及びパートナーであるLG Chem社との6年にもわたる取組みの結果だそうである。(ところでLG Chemは、最近あちこちで極めて安い値段で注文をかっさらっている模様。)
Tesla社は過去に、ギガファクトリーの稼働開始後は、バッテリーのコストが30%削減できるであろうと述べていた。現在の価格は$200/kWhであり、単純に年7%の割合で今後も値段が下がると考えると、2025年には$96/kWhまで引き下げられることとなる。
もし2025年に航続距離500マイルの電気自動車が実現した場合、その価格は現在(2015年)市場に出ている航続距離250マイルの車よりも安価で販売することが可能となる。
GMの$145/kWhは、ちょっとショッキングな数字ではある。
あと、kWhあたりの単価も大事だが、たくさんバッテリーを積むとその分、車両が重くなるので(当たり前)、やはり重量当たりのエネルギー(=kWh/kg)をかなりよくする必要が出てくる。安全性との兼ね合いではあるが。
テスラのModel Sの85kWhのバージョンは、おそらくバッテリーだけで1tonとかを超えているのではないだろうか。