個人的に注目してはいるが、技術的にも経営的にもかなり危ないと思っている、Ambri社。
MITのスピンオフで液体金属バッテリーの商業化に取り組んでいるが、かなりの困難に直面している模様。
CEOのPhil Giudice氏は、「残念なことに予想していた通り技術開発がすすめられておらず、商業用の試験システムを今年後半又は来年初めにも出荷する計画であったが、間に合わせることが難しくなった」と述べ、また約25%にあたる14人のスタッフを削減することを発表した。
Ambri社はこれまでに5,000万ドル(60億円)以上の資金を獲得しており、出資者にはKLP Enterprises、Karen Pritzker & Michael Vlock、Khosla Ventures、ビルゲーツ氏などがいる。
CEOによると、今回計画を遅らせることにより、技術的な問題にフォーカスを当て、特に高温シーリングの技術開発に注力するとのことである。
これは、今年夏に実施された実証テストにおいて満足な結果が得られなかったことに起因しており、他のシーリング設計の開発が急務となっている...ということだが、そもそも高温にしないと金属が溶けて充放電が出来ないAmbri社の液体金属バッテリーで「高温シーリングの問題」ですか。
なお、Ambri社のバッテリーは製造コストがリチウムイオンよりも低く、最終的に水力と圧縮空気の間あたりに達することが期待されているとのこと。
「Ambri社のバッテリーの一番の特徴は、電極も電解質もすべて液体金属であることであり、構成がシンプルであり、廉価な材料のみを用いるため低価格化が可能である」と当初から言っていたが、
以下は、去年あたりにAmbriが、「電極材料を変える」と突然言いだした頃のコメント。
しかし、どう考えても、アンチモン(Sb)が廉価とは思えないのだが... 世界生産の90%は、中国(81.5%)とロシア(7.8%)だし。
毒性もあるし...
- This Li || Sb-Pb battery comprises a liquid lithium negative electrode, a molten salt electrolyte, and a liquid antimony-lead alloy positive electrode, which self-segregate by density into three distinct layers owing to the immiscibility of the contiguous salt and metal phases.
- The all-liquid construction confers the advantages of higher current density, longer cycle life and simpler manufacturing of large-scale storage systems (because no membranes or separators are involved) relative to those of conventional batteries.
- At charge-discharge current densities of 275 milliamperes per square centimeter, the cells cycled at 450 degrees Celsius with 98 percent Coulombic efficiency and 73 percent round-trip energy efficiency.
- Our results demonstrate that alloying a high-melting-point, high-voltage metal (antimony) with a low-melting-point, low-cost metal (lead) advantageously decreases the operating temperature while maintaining a high cell voltage.
- Apart from the fact that this finding puts us on a desirable cost trajectory, this approach may well be more broadly applicable to other battery chemistries.