再生可能エネルギーは、まだまだ補助金なしでは経済的合理性が無いと言われるが、それでもパネルとインバーターの値段の劇的な低下で、発電コストが急激に下がってきた。
値段的には中国メーカーのシリコン系のパネルが、その製造原価の安さでシェアを伸ばしているが、米国メーカー(と言っても生産のほとんどはアジア)のFirst Solarは、CdTeを用いた薄膜系で製造原価が安い事と、自分たちで発電事業者になって大型発電施設を作る事でシャアを増やしている。
First Solar社のCEO、Jim Hughes氏が、ニューオーリンズで開催されたEdison Electric Instituteのミーティングで今後の太陽光発電に関する3つの大きな動向について述べた。
同社は垂直統合型の太陽光発電のプロバイダーであり、発電所スケールの太陽光発電建設においては世界一である。
- 発電所スケールの太陽光発電
- 需要喚起には、やはりコスト
- 競合より優位に立ち、確実に事業を進めていくためには、やはりコストが重要である。
- 18ヶ月前、テキサスの電力会社Austin Energyは太陽光発電受注契約を5 cent/kWhでSun Edisonと締結したが、この際RFP(request for proposal)に対して提案された案件のうち30件は、Sun Edisonと同額程度であり、4件は4 cent/kWhを提示していた。
- また、First Solarは、中東のDubai Power and Waterのプロジェクトにおいて13MWの第一フェーズを比較的高額で獲得したが、100MWの第二フェーズでは価格が5 cent/kWhに下がり、需要は倍増した。
- ここ最近は、7-8 cent/kWh程度の価格は見られず、我々は5-6 cent/kWh程度で入札を行っている。
- 今後は4-5 cent/kWhのレベルも増え、10年以内には3 cent又はそれ以下になると予想される。
- ITC(投資税額控除)の終了
- ITC(投資税額控除)について、Hughes氏は、ITCが30%から10%に引き下げられるが、First Solarはその影響を18か月以内に克服できるであろうと述べている。
- これは、ITCの終了によって、発電所への関心が再び高まることが期待できるからとしている。
- 設置費用
- 2017年までに米国西部において、追尾装置と設置コスト込みで$1.00/Wを達成できる見込み。
- 太陽光発電がさらに注目を増している理由
- 電気代が大きく影響する産業等において電気代を変動費ではなく固定費と取り扱うことができる方法への関心が高まっていることなど、経済的要因が大きいから。
- コミュニティーソーラー(Community Solar)
- 今後5年以内に電力部門において主要な役割を担うようになってくると予想している。
- GTMの最新レポートによると、コミュニティーソーラーは2014年に21MWの規模であったが、2015年には115MWに拡大し、さらに2020年には534MWに到達すると見られている。
- 今後の技術的変化にかんしては、下記が予想される。
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