天然ガスの組成

天然ガスは、その産地により組成が違うが、基本的にはメタン(CH4)が主成分で、85%~98%を占める。
以下は、大阪ガスのウエブサイトからの引用。


大阪ガスがお届けするガスの原料は「天然ガス」、主成分はメタン(CH4)で、一酸化炭素(CO)を含みません。

  • したがって、ガスを吸引することで『一酸化炭素中毒』になることはありません。
  • 以前は石炭または石油を原料としたガスを供給しており、一酸化炭素を含むものもありましたが、1990年の天然ガス転換完了以降は、大阪ガスの全供給エリアで天然ガスのみを供給しています。

環境にやさしいクリーンエネルギー「天然ガス

  • 地球温暖化の原因のひとつとされる、CO2二酸化炭素)。 世界中でその排出量低減が大きな課題となっています。
  • その様な中で意外と知られていないのが、「都市ガスは、石油や石炭など他の化石燃料に比べて、 燃焼時のCO2の排出量が少ない」という事実です。
  • これは都市ガスの原料である、天然ガスがメタンを主成分にしているためです。
  • メタン(CH4)は、水素(H)4つに対して炭素(C)が1つであり、 炭素(C)の数が少なく、したがって燃えた時の二酸化炭素(CO2)の排出量も少なくなるのです。


なお、炭化水素の熱量はその種類(=炭素と水素の比率)によって異なる。
天然ガスの主成分のメタンは水素成分が多いので、エタン・ブタン・プロパンより、重量当たりで発熱量が高い(プロパンに比べると約10%高い)。
しかし、水素が多い分、軽いので、体積当たりでは、逆にプロパンの半分以下となる。
ガス産業では、元来、体積当たり幾らという売り方が慣習となって来たので、メタン成分の多い方が「低発熱量」と言うことになる。
米国では、「天然ガスパイプライン」が張り巡らされているが、米国にある多くのガス田(シェールガスを含む)からの成分の違う天然ガスは、パイプラインの中で混ざりあう。
シェールガスも在来型ガスも、鉱床毎に成分の割合は異なるが、その輸送ガスの熱量スペックが統一されており、最低1,000BTU/SCFから、最大で1,100BTU/SCFの幅の中におさめないといけない。これは、日本で流通されている天然ガスに比べると低い値である。(即ち、日本で流通している天然ガスに比べて、他の成分が少なくメタン分が多い。)
このため、これ以上の熱量を持つ天然ガスを産出するガス田では、このパイプライン・スペックに合わせる必要から、井戸元でメタン以外の成分(エタンやブタンやプロパン)を分離して、タンクに詰めて別売している。
なので、米国から天然ガスを日本に輸出する場合、パイプラインを流れてくるガスを液化して「液化天然ガス(LNG)運搬船」で運ぶことになるが、液化時にメタン以外の成分(エタンやブタンやプロパン)を混ぜ戻すか、それらの成分を別途輸入して日本で混ぜなければいけない。
注:

    • BTU : British Thermal Unit (質量1ポンドの水の温度を1華氏(°F)あげる為に必要な熱量
    • SCF : Standard Cubic Feet (標準立方フィート)