水素脆化とベイブリッジ

ベイエリアのサンフランシスコとオークランドを結ぶベイブリッジ
今修復工事が行われていて、Labor Day(2013/9/2)には終わるはずだったが、修復工事に使われていたボルトに欠陥が見つかって大問題になっている。
どうも、ボルト内部で「水素脆化」が起こった様で、この欠陥が品質検査で発見されず、設置されてからボルトが折れて分かった。
水素脆化(すいそぜいか)」とは、水素分子が鋼材中に入り込むことによって鋼材を劣化させる現象である。
昨年もオークランドにあるFuel Cell Bus(水素発電バス)の「水素供給ステーション」の「圧力バルブ」が同じ原因で折れて、水素ガスが漏れて火災になって、周辺の住民が退避する騒ぎになった。
この宇宙で一番小さな元素は水素で、それが2つ集まった水素分子の大きさも極めて小さくて原子間距離は 0.074 nm(0.74オングストローム)しかない。
鋼材に潜りこんだ水素は小さな振動を起こして鋼材の分子を喧嘩させる。
また他の物質と反応して違う物質にさせ、そこからクラックが広がる。