海水の温度差を利用した発電

まだまだ研究段階だが、100メガワットの海水温度差発電(OTEC:ocean thermal energy conversion)について。
表面の海水の温度が約25℃、深海(1,000m)の海水の温度が約5℃なので、この温度差で発電する。
液体アンモニアを用いるが、アンモニアは低い温度で沸騰し気化するので、このエネルギーでタービンを廻して発電し、その後深海から汲み上げた冷水で冷やして再度液化する。


Makai Ocean Engineering」というところが、DoEの補助金で色々研究している。Lockheed Martinと1,000ワット程度の実験プラントをHawaii’s Oahu Islandで開発中。その次の10Mワットを設計中との事。
詳細は、このOSTI(Office of Scientific and Technical Information)の下記のサイトをご覧あれ。
http://www.osti.gov/bridge/servlets/purl/1055480/1055480.pdf
他にもフランスのDCNS Groupが10メガワットのプロジェクトをCaribbeanのMartinique外洋で。Abell FoundationにバックアップされているOTEC Internationalが1メガワットのパイロットプラントをHawaii州と共同で開発中。
懸念は、生態系に問題を起こさないかという事。この方式で出てくる排海水の温度は16℃程度になるらしいが、16℃の冷水を海水面近辺で大量に排水すると、そのあたり一帯の海洋生物に多大な影響を与える。これを避ける為には70mの深さまでパイプで運んでそこで排水する必要があるとの事。う〜〜ん、1,000mの深海から海水を汲み上げるだけでなく、70mの深さに排水を捨てるために必要な電力も半端じゃない。