「熱」の定義

WikiPediaに書いてある「熱」の定義を下記する。

熱力学における熱とは、1つの物体や系から別の物体や系への熱接触によるエネルギー伝達の過程であり、ある物体に熱力学的な仕事をすることでその物体に伝達されたエネルギーと定義される。
関連する「内部エネルギー」という用語は、物体の温度を上げることで増加するエネルギーにほぼ相当する。熱は熱エネルギーともほぼ対応しているが、正確には物体から物体へ熱エネルギーが伝達する過程が「熱」として認識される。

う〜〜ん、この定義では「熱」と「熱エネルギー」は分けているね。そうかもしれない。このブログで筆者が執拗に書いているのは多分「熱エネルギー」なのだろう。「熱」という概念はあくまで「熱エネルギーが伝達する過程」という位置づけなのだろう。
下記の様にマックスウエルによる定義も書いている。上記とは微妙に違うが。

スコットランドの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルは1871年、「熱」の現代的定義を初めて発表した。マックスウェルの熱の定義は4つの規定で概説される。

  • 1つ目は熱力学第二法則によるもので、「(熱とは)ある物体から別の物体へ伝達される何か」だという規定である。
  • 2つ目は熱を数学的に扱うための「測定値」の規定である。
  • 3つ目は、熱が力学的仕事のような物質的でない何かに変換されることもあるため、「(熱を)物質として扱うことが出来ない」という規定である。
  • 最後は、「(熱は)エネルギーの1つの形態である」という規定である。

また下記の様にも書いている。なかなか分かり易い。

現代の熱の定義をいくつか以下に示す。

  • 高温の物体から低温の物体に移動するエネルギーを「熱」という。
  • 熱とは、熱伝導または熱放射によるエネルギー伝達の過程の間だけ定義されるものである。
  • 温度の異なる物体から物体への自発的なエネルギーの流れを「熱」と呼ぶ。

運動エネルギーと熱の関係は次のように定義される。

  • 物質の中のエネルギーは、分子や原子の運動エネルギーによるものである。運動エネルギーと熱は形式的には等しいかもしれないが、同一ではない。
  • 熱力学的には、熱は物体内に蓄えられるものではない。仕事と同様、それはある物体から別の物体へ(熱力学用語では、系とその外界の間で)の「エネルギーの移動」としてのみ存在する。熱の形で系にエネルギーを加えると、その系内に蓄えられるエネルギーはもはや熱ではなく、系を構成する原子や分子の運動エネルギーまたは位置エネルギーの形をとる。

なるほどね〜 最後の太字にしたセンテンスは含蓄が深い。
下は太陽のX線写真。

1億5000万キロ旅してやって来た太陽の「光」のエネルギーは、主に「熱輻射(放射)」の形を取るのだろうが、地球に到達して色々な形の「エネルギー」に変換される。