過去10年間の燃料価格の推移

昨日と同じく、EIA(U.S.-Energy Information Administration)の数字をもとに、米国に於ける過去10年間の燃料価格をエクセルに入れて推移を見てみました。単位は100万BTUあたりの米ドル。

天然ガスの値段に関してはこちらに詳しいグラフ有り。
幾つか気がつく事。

  1. 石炭って本当に安い。かつ安定している。
    • これが、アメリカに於ける発電量でトップを維持している理由。
  2. 天然ガスと石油の値段は比較的連動している。
  3. 2008年の原油価格の急上昇は記憶に新しいが、この表を見るとその突出ぶりがわかる。
    • この年に、石油と天然ガスの単価が逆転した。
  4. この年に、色々な再生可能エネルギーによる発電プロジェクトが計画された。(ブッシュ時代)
    • これらの工事がスタートしだしたのが昨年から今年にかけて。(オバマ政権の補助金に助けられて)
    • ただし、これらが実際に稼働しだすのは早くて来年(2012年)、多くは再来年(2013年)以降になるが。
  5. 天然ガスも2008年はつられて上がったが、2009年は一気に落ちた。
    • 天然ガスの値段が2009年に落ちた事で、2009年の発電に占める天然ガスの比率が上がった。
    • しかしまだ発電量はダントツで石炭。
    • 石油の値段も落ちたが、石油は発電にはほとんど使われていない。
    • 風力発電等の新規着工が2010年に大幅に下がったのは2009年に天然ガスの値段が下がったため。
  6. とは言え、1998年に比べれば2009年の単価は、石油が3.5倍、天然ガスが2倍になった。

阪口幸雄