別の太陽熱発電所(Blythe)

先日、400メガワットの発電能力を持つIvanpah太陽熱発電所の話を書きましたが、もう一つの太陽熱発電所の話題です。
米Solar Trust of America, LLC(実際に行うのはOrklandにある100%子会社のSolar Millenium LLC社)とChevron Energy Solutions社は、6年計画で、1ギガワット(80万世帯)の発電能力を持つ太陽熱発電所Blythe Solar Power Projectを、60億ドル(6Bドル=5,400億円)かけて作る計画で秋にも認可が下りそうだという事です。(The California Energy Commission(CEC) recommended approval of the project earlier this month.)
前回書いたIvanpahはタワー方式で、各鏡が太陽光を反射してタワーに集め、そこで非常に高温になったスチームを発生させてタービンを廻すと言う方式ですが、今回はparabolic troughという方式で、右上の写真にもある様に、parabolic(双極面)の形をした鏡が、その焦点に配置されたtrough(トラフ:雨樋)を熱し、troughの中のHTF(heat transfer fluid)が高温(400C)に熱せられ、チューブを伝わってHeat Exchangerで水をスチームにし、このスチームがタービンを廻し発電。やはり水の使用量を減らすため空冷を用いる。
この発電所が出来上がると、2MトンのCO2の削減になるそうです。
太陽光発電に比べて太陽熱発電の良いところは、HTFに溜められた「熱」が数時間冷めないため夜になってもしばらく発電が続けられる事。
太陽熱発電の中で比較すると、parabolic trough方式はタワー方式に比べて、高温の液体が移動する距離が長くなるため熱損失が大きくなりがちであるが、タワーの建設が不要な事、タワーの一点に光を集中させる必要が無く鏡を単純に並べることが出来るため大規模な施設の建設が容易である事、等です。

4フェーズに分けて建設され、各フェーズで250メガワットづつ発電量が増えるそうです。それでも、カリフォルニア州の目標の「2020年までに33%を再生可能エネルギで」にはまだまだ遠いです。