電気自動車充電ステーション

北米で電気自動車充電ステーションを展開中の会社は、主にベンチャー企業で、Coulomb, Better Place, AeroVironment, ClipperCreekとかです。
このうち、Better Placeは、電池をそっくり替えてしまおうと言うアプローチで、既に多くの資金を集めています。(Series-A:$200M、B:$23.2M、C:$350Mで合計$573.2M。う〜〜ん、幾らで上場したら元が取れるのか心配になって来ますが。ところで、先日のブルームエナジー社の記事で$4Bを360億円と書きましたが、これは3,600億円の間違いでした。これに比べれば、Better PlaceのHalf Billionなんて小さい小さい??いや、そんなことは無い。十分大きいです!!)
Better Place社は、「バッテリー充電ステーション」も展開していますが、一番力を入れているのは「バッテリー交換ステーション」の全世界展開の様です。日本でも活動していて、まずタクシーを電気自動車にして、バッテリー残量が少なくなったら交換ステーションでバッテリー全体を交換しようとしています。右の写真がバッテリー交換を模式的に示したもの。バッテリーが下からせり上がって来て、ロボットが自動的に交換する。60秒以内に交換出来るそうで、通常のガソリンを入れるよりもよっぽど早いです。このビデオは、その交換の様子を示しています。(このせり上がってくるところにサンダーバード2号を思い浮かべるのは僕だけでしょうか?)
日本のタクシーは、台数的には乗用車全体の2%だそうですが、CO2エミッション的には20%に相当するらしく、これらが全て電気自動車になると確かに効果は大きいですね。因に東京にはタクシーが6万台あるそうで、これは世界2位で、パリや香港やニューヨークよりも多いそうです(一番多いのは6.6万台の北京)。Better Place社は、東京では「日本交通」と組んでいるそうです。まあ、空になったバッテリーは、夜の電気代が安い時に、または再生可能エネルギー(すなわち太陽頼み、風頼み)の具合を見ながら、グリッドのお伺いを立てながら充電出来れば、電気使用量の平準化に寄与する訳で。
ガソリン車が1回の給油で200〜300km程度は走れますが、EVの航続距離は、三菱i-MiEVの場合は10-15モード計測値が160kmで、市街地で一般的な使い方をした場合の実質的な航続距離は、条件にもよるが100km程度だとか。日産リーフの公表値も160kmなので実質的な航続距離は同じ位?
(今、グーグルで100kmでどれだけ走れるか調べてみたら、熱海は90kmで大丈夫、でも静岡は148kmでアウトでした。)

さて、ここまでは2009年に話題になった旧聞に属する話ですが、バッテリー充電ステーションを展開しようとしているCoulomb社が、今年6月にSiemens社との提携を発表しました。
Coulomb社は、今年6月に5,000台の充電ステーションを全米9地域に展開すると発表しています。これは、Ford、Chevrolet、DOE (Department of Energy)との戦略的提携で行われるそうです。
このCoulomb社のニュースリリースを見ると、かなり着実に充電ステーションを増やしていることが分かります。
(因に、先ほどの東京の6万台のタクシーのバッテリーを交換するには、ステーションが100ヶ所あれば良いそうです。これは、LPGステーションの数とほぼ同じだそうです。)
(続く)