太陽光発電

AMONIX社と Soitec社のCPV

CPV(Concentrated PV)装置で頑張ってきたAMONIX社は、コロラド州のAlamosaに建設された30MWのCPV発電施設に採用され2012年5月に稼働を開始したが、その後業績が悪化し、2012年11月に閉店してしまった。 このビジネスの難しさを実感する。 下の写真はその発電…

CIGSのNanosolarも....

Nanosolar社がいよいよ店じまいとの事。 しばらく前(と思って調べたら2年前!)の筆者の記事も参照。 CIGS(Copper, Indium, Gallium, Selenium)を使って、Roll to Rollで「安く」PVを作ろうとして挫折したあまたの会社の一つ。 2002年に設立して、いままで…

シリコンウエハを安く

数日前の記事で、「シリコンウエハのコストが大きく下がっている」と書いたが、通常結晶シリコンウエハのコストを下げる為には(1)「シリコンインゴット」を安く作る、(2)のこぎりでインゴットをスライスにする時に「削りカス(kerf)」を極力出ない様にする、(…

中国製のPVパネルの製造コスト

中国製のPVパネルの製造コストは、2015年には1ワットあたり42 Centsになるというレポートとグラフ。 2009年から2012年の3年間の様に急激(ほぼ半分)に下がる事はないだろうが、今後もコンスタントに下がるであろう。 なお、ここで議論している中国メーカーは…

太陽光発電用のインバーター

太陽光発電パネル(PV:Photovoltaic)から出てくるのは「直流電力」なので、インバーター(*)を用いて交流に変換しなければ「交流」の家電品では使えない。 (* : 日本ではパワーコンディショナーと言う事が多い。) LED照明とかの電気製品では最終的には「直流…

集光型太陽光発電(CPV)

太陽光発電のもう一つの方式は、レンズや反射鏡を用いて太陽光を集光し、より単位面積あたり、単位ワットあたりの価格を下げようと言うアプローチである。 集光型太陽光発電(CPV)と呼ばれるこの方式も、2008年にシリコンの値段が上がった時に色々な既存企業…

CIGS方式の薄膜太陽光発電セル・モジュール開発会社

2012年もいよいよ押し迫ってきたが、今年は太陽光発電(PV)のモジュールの値段が劇的に下がった1年であった。 そもそも、2008年にシリコン素材の値段が一気に上がり、「モノシリコン(単結晶)」も「ポリシリコン(多結晶)」もウエハーの値段が2倍以上に…

米国に於けるPVの値段の落下

同じく、GTMのレポートからの借用であるが、北米に於ける2012年Q1のPVの値段を、ウエハ、セル、モジュールに分けてグラフ化。 ここ数年、継続的に下がってきているが、2012年のQ1では、1ワット(dc)あたりの換算で、ウエハが$0.33/Wdc、セルが$0.53/Wdc、モ…

米国に於ける2012年Q1の太陽光発電設備設置状況

もう7月も終わろうとしているので、本当はQ2の数字が出てると良いのだが、GTMのレポートから2012年Q1までの米国に於ける太陽光発電設備の新規設置のグラフを下記にしめす。 グラフを見ると一見上がったり下がったりしているが、補助金とかの関係で年末にかけ…

「IV-IV族」

繰り返しになるが「LSIチップ」「太陽光発電パネル」「LED照明」とも半導体が基本的な素子として使われている。 暫く前のブログで、色々な半導体を「バンドギャップ」の大きさ(小さい順)でリストアップした。WikiPediaを参照しているがここに再掲すると、 …

第3四半期のクリーンテックベンチャーへのVC出資

第3四半期が終わって、統計的なデータが色々出てきている。 第3四半期は、全世界のクリーンテックのベンチャー企業向けの出資が第2四半期に比べて12%多くなって$2.23 billionになったとの事。 昨年の第3四半期($1.81 billion)に比べたら23%の増加。件数…

DOEの「1705 program」

Solyndraが破綻し、色々なメディアで叩かれている。相棒の安藤さんのブログも参照のこと。 昨年末にはChapter 11を出すだろうと言われていたのがなんだかんだで生き延び、さらにその「延命」にも色々な噂が飛び交っている。担当したある有名な法律事務所も「…

Inter Solar North America (4) ドイツでの太陽光発電

こちらが、太陽光発電先進国で、また「脱原発」を表明したドイツでの太陽光発電の利用状況。 縦軸が、上からBIPV(Building Integrated PV)、Rooftop、Ground mounted。 横軸が、左から10KWp以下、10KWp~100KWp、100KWp以上。 Ground Mounted (地上での設営)…

Inter Solar North America(3)

太陽光発電に関しては、ワット当たりのコストが下がり続けるとか、政府の支援とか、FUKUSHIMAとか、ポジティブな追い風が多いように感じた。 ネガティブな側面もやがては追い風にしてしまうのがアメリカのすごい所だが、今回感じた「課題」は、「蓄電」と「…

Inter Solar North America(2)

こういうConferenceでのKey Note Speechは、いつも「当たり前」の事しか言わないが、一応その「当たり前」のことを示すスライドをいくつか。 下が「結晶シリコンを使ったPVパネルの値段が今後とも下がるだろう」と言うグラフ。 横軸は「設置された太陽光発電…

Inter Solar North America(1)

先週は、サンフランシスコのモスコーニセンターで開かれた「Inter Solar 2011」に月曜日から木曜日まで参加して来た。主にテクニカルセッションを聞いて歩いたが、展示場も歩き回った。SemiCon Westとの併設だったが、展示場はどちらも比較的閑散としていた…

バンドギャップ

太陽光発電やLEDの事を勉強していると、かならずバンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)の話になる。 「バンドギャップ」の広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。 ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構…

電気代と太陽光発電パネル

一昨日の記事で、家庭用の太陽光発電パネルをファイナンスするにあたって「20年で電気代がこんなに高くなりますよ」というグラフがあった。下に再掲する。 電力会社に払う毎月の電気代が今が181ドル、20年後が595ドルとなっている。 又、昔「アメリカの家庭…

GoogleがSolarCityに$280 million出資

昨日、家庭向けの太陽光発電パネル設置のファイナンスを行う「Solar Power Finance社」という会社について書いて、先行する会社として「SolarCity社」を上げたが、Google社がこのSolarCity社に$280 million出資すると発表。 この$280 millionで7,000軒から9,…

PPA(Power Purchase Agreement)会社

先週参加した「Trina Solar」のセミナーでプレゼンしたSolar Power Financeという会社について。 のっけで「We are PPA Company」と言うので、筆者はおもわず「???」。 PPAはPower Purchase Agreementの略で、Utility(電力会社)と発電者の間で結ぶ「電力販…

Trina Solar社のセミナー

サンフランシスコ空港のそばのホテルで開かれたTrina Solar社のセミナーに参加して来た。 Trina Solar社は元々中国の会社で、1997年(14年前)に、太陽光パネルをインストールする会社としてスタートするも、垂直統合を積極的に進め、いまではシリコンインゴ…

Fotowatio Renewable Ventures

Fotowatio Renewable Ventures(FRV)という、独立系発電事業会社(IPP = Independent Power Producer)がある。多国籍企業だが本社はスペイン。 下記の様に、既にスペイン、アメリカ、イタリアで発電事業を行っている。 稼働中(187 MW) 130 Mw in Spain 16 Mw i…

太陽エネルギー

今、東海道新幹線で西に向かっています。 沿線に広大な空き地が広がっているのが見えます。 下記に日本の年間最適傾斜角の斜面日射量(kWh/m2・Day)を示しますが、東海地方というのは日本でも太陽エネルギーを豊富に享受出来る地域です。 勿論アメリカのモハ…

CIGS系の太陽光発電パネルの製造方法

数日前に書いた様に、北米にはCIGS系の太陽光発電パネルを開発生産している会社が10数社在る。ステルスモードで開発している会社はもしかしたら数十社あるかもしれない。 但し、同じCIGS系と言っても、使う基板によって下記に分けられる。 (1)ガラス基板を…

Applied Material社が同業のVarian社を買収

半導体製造装置の最大手のApplied Material社が、同業のVarian Semiconductor Equipment Associates社を$4.9B(約4,000億円)で買うと言うニュースです。(なお、1週間前のSunPower社の買収の値段は「60%で$1.3B」でした。) Varian社は、先日のこのブログで、…

CIGS系の太陽光発電パネルメーカー

CIGS系の太陽光発電パネルが、色々なベンチャー企業(および大企業)によって開発が進められている。筆者はその理由を下記の様に考えている。 結晶シリコン系だと、既にアジアで大規模に生産している先行会社に「ワットあたり単価」で到底かなわない CIGSだと…

Nanosolar社

お金は一杯集めたが、今ひとつ調子が悪くて、CEOを変えたりして苦労している「Nanosolar社」。CIGS(Cu, In, Ga, Se)系の太陽光発電パネルメーカーです。 最近あまり名前を聞かないが、ここのCEOに、GreenTech Mediaがインタビューしているので簡単に紹介しま…

SunPower社がフランスの石油・ガス大手の傘下に??

フランスの石油・ガス産業の大手の「TOTAL社」が、アメリカに本社の在る太陽光発電メーカーの「SunPower社」の株式の60%を買うかもしれないという話題。 SunPower社の概要は下記の通り 1985年設立の比較的古い会社 本社はSan Joseにある 単結晶シリコンを用…

CIGS方式のMiaSole社がダウンラウンドで資金調達

CIGS方式の太陽光発電パネルメーカーのMiaSole社が、ダウンラウンド(前回より株価が下がる状態)ながら$106M資金調達したとのこと。 CIGSとはCopper Indium Gallium Selenideを用いる薄膜方式。薄膜系で辛うじて残っているのが、First Solar社が使うCdTe方…

太陽光発電パネル開発ベンチャー企業「Suniva社」

アメリカに本社のある太陽光パネルメーカーのなかで、「First Solar社」とかの大手は、発電効率はそのままに(9%~11%ぐらい)ひたすら原価低減(ワットあたり)に走っているが、ベンチャー企業のなかでは発電効率向上に力を注いでいる所が多い。 例えば、ベンチ…